漫画家のエッセイはなぜおもしろいのか?

 

私も今、文章修業中です。

うまくなりたい」よりも「魅力的な文章を書きたい」と、私も思っています。

 

うまい文章」なら、文法をきちんと勉強する、とか文章読本の類を読むなどの具体策がすぐに浮かびますが、「魅力的な文章」となると、ちょっとつかみどころがないようにも思います。
ただ、「魅力的な文章って何?」と自問してみますと、その定義は考えつかなくても、魅力的だと感じる作家、エッセイストの名は何人も浮かんできます。

 

私が思う、もっとも魅力的な文章を書く人は現役では、「さくらももこ」、「東海林さだお」、「赤瀬川源平」(敬称略)の3人です。

3人の文章に共通しているのは、視点のユニークさ、文章の個性、読みやすさということになると思います。

 

そして、もうお気づきでしょうが、さくらももこと東海林さだおの本業は漫画家。

いわば副業であったはずのエッセイが多くの読者を得、高評価も得て、いまは「もう一つの本業」のようになっています。

 

赤瀬川源平は芥川賞を受賞している作家ですが、もとは画家・美術家です。

専業作家ではありません。

 

これはこの3人に限ったことではなく、昔から、画家や漫画家には名文章家、名随筆家が多いのです。

日本でも「上村松園」や「鏑木清方」、「東山魁夷」をはじめてとして画家の名随筆が多く残っています。

現役では「水木しげる」の名もあげられると思います。

 

一つには、彼らの「物を見る目」ということがあると思います。

同じ事物を見ても、その見え方は人さまざま。

彼らはその「見え方」が人とはちょっとちがう。

あるいは普通の人が見過ごしてしまうようなものを、彼らの目はしっかり捉える。

そこが読む者に「おもしろい」と感じさせるのではないでしょうか。

 

といっても、「じゃあどうすればいいの?」という話になります。

いきなり「視点を変えろ」、「人とちがった見方をしろ」と言われたって、簡単にできるものではありません。

 

私は、常識的な方法ですが、やはり名文章家と思う人の文章、とくにエッセイを徹底的に読み込んで、そこから学ぶしかないんだろうと思っています。

 

先ほどあげた3人にうちでは、女性ならばやはり「さくらももこ」をお手本にするのがいいでしょう。

彼女の文章は、けして「うまく」はありません。

ときとして、文法的に気になる表現も出てきます。

内容も、いわゆる女性的なセンスあふれるエッセイというわけでは全くありません。

かなり下品なネタ、どうかと思うような自分の行動を赤裸々につづることも平気でしています。

オジサン的」エッセイといってもいいかもしれません。

 

けれど、とにかくおもしろい。

子供から大人までかなり幅広い読者を魅了しているのです。

ここに「秘密」があると思います。

 

彼女のエッセイは集英社文庫でたくさん出ていますから、手に入りやすいと思います。

もものかんづめ」という名著もありますし、最近では「ももこのよりぬき絵日記」シリーズがおすすめ。

これはタイトルどおり絵日記形式でつづられていて、1話1話が短いですから、たとえばこれをお手本に、そっくりまねた「日記」を自分で書いてみるというのはどうでしょう。